さざ波ラプソディー

20年に一度と言われる超大型台風の接近で、老舗旅館『さざ波館』は大忙しだ。仲居の佐伯小夜は、慣れない客の多さにてんてこ舞いで各部屋を走り回っている。
　　ある部屋では、勉強合宿と称して宿泊している浪人生４人組が何やら良からぬ相談をしている。予想外の大荒れの天気だが「決行するしかない」と熱弁を振るう４人組のリーダー風間亮。
　　娘と共に旅館に来た大野真知子は、新しい男の元へ行くため、ここで娘を捨てようとしている。事情を知らない娘は母に言われるまま、かくれんぼだと思い押入れにいる。
　　ひと息いれようとした小夜にいきなりカンチョー攻撃をする悪ガキ、五郎。すかさず母親が叱りに来る。彼らは、奥の部屋に泊まっている子沢山の大家族で、初めての家族旅行に皆興奮し、旅館内を走り回っている。旅館じゅうでめいいっぱい騒ぐ悪ガキ達を注意する仕事まで増えて、小夜はあたふたばかりする。
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